■[★★★★][あ]食堂かたつむり』小川糸

食堂かたつむり

食堂かたつむり

小説としてぜんぜん優れていないと思うけど、
私はこの作品は、好きだ。
もうタイトルからしてそうなんだけど、
ある種の乙女をひきつけるこの甘ったるさ、
きっと好き嫌い分かれるんだろうなぁ。
いや、わたしは好きだなあと思うんだけれど。
この小説の読みどころは、とにかく料理がうまそう。
ほんと、そこがずばぬけているので、★4つ。
ちょっとだけネタバレ。
物語は正直言って、あの手この手でちょっとそれはどうなのよという
展開だったりする。禁じ手も、あんまりホメられない感じ。
(瀬尾 ま いこ『幸 福 な 食卓』も同じような展開だったなぁ。
読んだ人にしかわからないけれど…)

だけど、そんなのどうでもよくなるくらい、ディテールがよいのです。
紅茶を入れて、じっくり味わいながら読みたい本でした。